こんにちは。山田です。
人はストーリーが大好き
さて、人に何かを伝えたいとき、話の中に「ストーリー」を盛り込む事は非常に有効です。
例えば子供に「盗んではいけませんよ」「嘘をついてはいけませんよ」みたいな「概念」を教える際には「おとぎ話」でビビらせることがとっても有効ですし、
大人になっても「7つの習慣」みたいな本はほとんどがストーリーになっているのでみんなが理解しやすいものに仕上がっていますね。
あと、聖書とかもほとんどストーリーだし、私たちはストーリーがとっても大好き(僕も大好き)。だから人に何かを伝える時にもストーリーはとても有効です。
抽象的な概念をストーリーに乗せる
去る6月18日(土)にJICCCの代表として日本コーチ協会茨城チャプター様の16周年記念講演会に招かれ、相方の共同代表のSさんとワークショップを行ってきました。
せっかくの機会なので、ちょっとチャレンジングな内容をお話しようと思い、ストーリーを使ってかなり抽象的な概念をお伝えしてみました。

具体的には、
・組織は生き物であること
(一人ひとりの意思を超えて動く「複雑系」)
・リーダーの役割は、まずは「観る」こと
・深層にある声を大事にする(ディープデモクラシー)
・起こったことを「評価」「判断」しない。
(起こったことからつくる。)
・むすんでひらいて。
(「目的」と「関係性」のバランス)
・すべての行動には正負のインパクトがある。
・でも「正負」の判断は必ず目的に即して。
・やっぱりビジョンは大事(副作用もあるけど)。
みたいなお話をしてみました。
やってみての振り返り
お伝えしたい概念はそれだけを読むと「なんのことやら」というような内容ですね。
でも、これまでのJICCCのストーリーに乗せてお伝えしたことで、かなりの程度ご理解いただいている様子が話している中でも伝わってきたし、終了後も「よかった」「わかりやすかった」という感想を多くいただき、企みは大成功だったと思います。
決してわかりやすいお話はしていないんですけどね。
ストーリーを使って伝えるポイント
ストーリーテリングはストーリーをただ話せば良いというものではありません。
特に意識すべきなのはストーリーの中の「人間や人間社会の構造」に意識を向けてもらうこと。
「歴史は繰り返す」と言いますが、人間の感じ方や振る舞いはそんなにバリエーションがあるものではないので、局面が違っても、起きることには結構類似性があります。
なので、語るストーリーは特定の人たちの特定の局面での出来事ですが、その出来事のパターンは聞き手が置かれている現実と類似性があるものも多くあります。
できるだけ聞き手の現実が投影できるようにストーリーを語ること。これが超重要ポイントです。
自分の現実が投影できると、伝えたい概念はその人に響き、内省が始まる。その結果として抽象的な概念でも理解されるという構造があります。
自分の現実を投影してもらうために
ストーリーを語るとき、聞き手に自分の現実を投影してもらうためには、自分自身はストーリーを語る事の気持ちよさに酔う事なく、ストーリーをメタ認知(一つ上の視点から見る事)できていないといけません。
あるストーリー(具体)の裏にある人間世界に共通して起こりがちなこと(原理原則、抽象)。この視点からストーリーを分析して相手が投影できるようなストーリーに再構成すること。
一つの具体からその背景にある原理原則、共通の構造を抽出する力が必要になります。
今回は上にあげた「共通の構造」「原理原則」をお伝えするために必要なストーリーのパーツを取り出し、再構成した結果、非常に伝わる話ができた、というのが結果の振り返りです。
必要なのは抽象思考力
ストーリーテリングを例にとってみましたが「わかりやすい話」をしたい時、特に「わかりにくい事」を「わかりやすく伝える」必要がある時、
話をわかりやすく伝えるために必要な事は、雑多な物事の中から原理原則やパターン、必要な概念を抽出する抽象思考力。
この力は当たり前のように「人への影響力」という点で仕事や人生にレバレッジをかけていくもの。本質的に人生を変化させたいのなら、学びや気づきを知恵に変換する「思考力」の鍛錬に特化しましょう。
ということで、抽象思考力を鍛えるための知識と実践の場、「答えを生み出す力」を身につける超実践型哲学コミュニティ「MCP(Maren Club Premium )」は8月開講です。メールでの無料ダイジェスト講座もやっていますので、詳しくは以下のリンクから。