五郎丸選手オススメの「あの本」のお話

こんにちは。山田です。

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

五郎丸選手オススメの「あの本」 

さて、ラグビーW杯で大活躍の五郎丸選手がウェブメディアか何かのインタビューで紹介した本『自分の小さな「箱」から脱出する方法』、少し昔の本ですが自分の周りでも再度、話題になっていました。

 

とても良い本なので、まだ読んでいらっしゃらない方は是非お手に取っていただきたいのですが、内容を一言で言うと「ひとたび、自分への裏切り(=自己欺瞞:自分に嘘をついたり言い訳したり)をすると、それを補強するためにどんどん物語を作って嘘を重ねて、周りを責めることで嘘をついている自分を守る」というお話です。

 

横須賀線で「自己欺瞞」するワタシ

自分の例だと、霞ヶ関時代に鎌倉から東京駅まで、毎日JR横須賀線で通っていたのですが、夜中までの仕事が続くと、朝の電車はどうしても座りたい。そんな状況で鎌倉から二駅先の大船あたりで座れるととても幸せな気持ちになるわけです。

でもその瞬間、大船駅でお年寄りが乗ってきて目の前に立ったら….

すみません、告白します。そのまますっと目をつぶり眠ったふりをしていたことも何回もありました。でもね、そのままだと自分が不道徳な悪者になって気持ち悪いわけです。だから物語を作って自分を正当化する。

最初は

「いや、もうめっちゃ疲れているんだから許して。」

レベルなのですが、それではまだまだ自分が悪者。物語はそのうちエスカレートしていきます。

「もう、こんな通勤時間に乗ってくる方が悪いでしょ。」

とか「お年寄りに目の前に立たれた、疲れた自分」を被害者にして、眠りに落ちることもありました(自分は弱い人間です<(_ _)>)。

で、こうした状態を「箱」に入るという表現で表していて「箱」に入る症例と、その脱出方法をコミカルなイラストとともにわかりやすく説明してくれています。

 

コンセプトの基盤には哲学

この「箱」の本なのですが、著者は「アービンジャーインスティチュート」という研究所。

哲学者T・ウォーナーが創設メンバーに加わっていたという異色の集団。現在ではビジネス、法律、経済、哲学、教育、心理学の専門家が一堂に会し、組織内にある人間関係の諸問題を解決することによって、収益性を高めようという独自のマネージメント研修やコンサルティング業務を行っている。

という集団で、

私たちのミッションは、この「自己欺瞞」がどんなもので、それが自分や他の人、属する組織にどのような影響をあたえているか、そしてそれをどのように解決するかを提唱していくことと考えます。

ということだそうです(後者の引用は英語版から)。

このT・ウォーナーという先生はアメリカのブリガムヤング大学などで哲学の教鞭をとっていたようですが、この「箱」の本も様々な哲学的な知識に基づいていることが伺われます。

 

なぜ人間は「自己欺瞞」するのか

なぜ人間は「自己欺瞞」(自分の思考を捻じ曲げて自分を正当化する)を起こすのか。この問題についても様々な説明ができますが、今日は一つ、哲学者のF・ニーチェのコンセプトをご紹介したいと思います。

ニーチェは人間の本能はエゴイズムであると言っていて、結局のところ私たちの意識の深くには「勝ちたい」「認められたい」「安定したい」といった「快楽を得る」という自分の欲望を満たす意志が渦巻いていると言っています。

でも、人の中にあるこうした欲望は無限なんだけど、現実世界でこうした欲望を満たそうとするとなかなかタイヘン。でも欲望は満たしたい。欲望が満たされないと安定しない。

欲望と現実の狭間で「なんとかして~」と心が悲鳴をあげて繰り出す「ウルトラC」があります。

それが、自分が生きる「物語」を自分の都合の良いようにグイグイ捻じ曲げて自分を安定させる、

言い換えると、土台となる価値観をひっくり返して想像の中で勝利する、

というウルトラCです。

これを「ルサンチマン(弱者の逆恨み)」といいます。

現実世界での不遇を周囲を悪者に仕立てることにより空想の中で自分の勝利(正義)を獲得するという心の反応。

 

ルサンチマンは必ずしも悪者ではないけど…

種類はいろいろありますが、例えば、

・世の中金が全てじゃない

・成功者は不誠実だ

・上司は部下のことを全く考えていない

・官僚は自分たちの保身しか考えていないw

とか、そういった発言も「ルサンチマン」の可能性があります。

で、自分は決してルサンチマンが悪いと言っているわけではなく、上記のような例ももしかしたら事実かもしれませんし、自分を被害者に仕立てないと、本当に心の安定が保てない時もあるかもしれません(だって、人はそんなに強くないですから)。

でもね、これはまぎれもない事実なので心しておいていただきたいのですが、「ルサンチマン」を発動した状態でいると自分は成長しないし、物事も前に進まないということ。

 

なんとなくの「不安」の元凶だったりもします。

「ルサンチマン」は自分の力を弱め、物事を停滞させます。そして、もっと気持ち悪いのは心の奥底に「自己欺瞞」の暗い闇を抱えてしまうことになること。

よく、整体などでも「体のバランスをとるために背骨が歪んでいる」みたいな話がされますよね。

これとおなじように、心の中に「闇」を抱えていると、自分の中の「闇」を見ないようにするために自分が生きる物語をグイグイと歪め、その結果、周囲と深い信頼関係を築けないようになったりもします。

どっかでつじつま合わせて抜け出さないと、人生はずっと苦しいし、なんとなくの「不安」から逃れられないんだと思うんですよね。

まずは「闇」の存在を認め、ゆるし、受け入れ、素直に向き合うという姿勢が大事です。

 

人間の反応は表現型は複雑ですが原則はシンプル

こうした人間の「反応」、一つ一つは、こうしたビジネス書とか心理学などでも語られているのですが、その奥にある原理原則は結構シンプル。

一つ一つを個別に学ぶよりも、その知識の上流にある原理原則の領域(=「哲学」の領域)を押さえておくと、自分の中の「反応」もよく理解できますし、それに伴い、他者の「反応」もよく理解できるようになります。

また、自分や他者といった「世界」がよく見えるようになることで、ビジネスや人生の形づくり方も自ずとわかるようになりますし、いろいろな人がおしえてくれるHow toも本当に使いこなせるようになりますよ

特に、マネージャーとかリーダーとか「人の上に立つ人」は、こうした「人間」の姿をよく理解しておく必要がありますね。

「今、こういうことが起こっているんだな」ということがわかると、不必要に落ち込んだり、怒ったりすることもなくなり、真の「アサーティブ」な人格が醸成されていきます。

そうした抽象度の高い知識に基づいて、自分を成長させていくという試みが、超実践的哲学コミュニティ「Maren Club Premium」です。今後、メールでも詳しく情報をお届けしていきますのでまずは以下のリンクから詳細をご覧になってくださいませ。

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ABOUTこの記事をかいた人

山田 亨(TORU YAMADA)

現代哲学からコーチングを解釈した視点をもとにクライアントさんと関わり、現実の課題に対応しながら意識の深層からの変化をガイドすることで、単なる現実面での目標達成のみならず、思考や精神のあり方自体を創造的に体質改善するトレーナーをしています。

職業は肉体改造をガイドする「フィジカルトレーナー」にならって、ビジネスパーソンの精神的な体質改善をガイドする「メタフィジカルトレーナー」を名乗っています。

注1:メンタルトレーナーとかスピリチュアル系のコーチではありません。念のため。

注2:余談ですが昔スポーツクラブでフィジカルの方のトレーナーもやっていました。