いろいろ学んで「混乱する人」と「成長する人」のたった一つの違い

成人学習

いつもお読みいただきありがとうございます。

読む本が変わった経営者

さて、先日とある経営者とお話しする機会があり、私からはいつものように人の「認知」のお話をさせていただいておりました。すると、その経営者はこんな事をおっしゃいました。

「確かに事業が大きくなるにつれて読む本が変わってきたね。」

以前は成功哲学の本を読み漁ってきたけど、最近は「これはもういいか」という本が増えてきた。とのこと。

結論からいきます。

さて、今日のお題、いろいろ学んで混乱する人と成長する人は何が違うのかというお話。先に結論から言ってしまうと「学習に何を求めているか」の違いです。もう少し具体的に言うと、学習に「答え」を求めるのか「考え方」を求めるのかの違い。

学習に「答え」を求める人

学習に「答え」を求める人は、一つのコンテンツから学べる事が非常に「具体的」になってしまいます。具体的な事柄は非常にわかりやすくて臨場感がある(実行する事にリアリティがある)ため、学ぶことでの満足感は非常に高いものとなります。

でも、いざ実行に移そうとすると、実際の環境は変化に富んでいるため、そのコンテンツから学んだ「答え」がそのまま使えることはあまりありません。

理由は、コンテンツ提供者が答えを編み出した背景や文脈(コンテクスト)とあなたが今この瞬間向き合っている現場の背景や文脈は全く違うからです。

学習に「答え」を求めない人

一方、学習に「答え」を求めていない人は何を求めるか?それは「考え方」や「視点」。自分が持っていない「新たな考え方」や「新たな視点」を獲得できたとき、学習に「考え方」を求める人はとても喜びます。

そして学習に「考え方」を求める人は、一つのコンテンツから「抽象的な学び」を抽出します。

  • そのコンテンツを編み出しは背景は何か、
  • 考え方、視点はどういうものか、
  • コンテンツ提供者のバックグラウンドにある知識はどのようなものか、
  • そのコンテンツが成り立つ条件はどのようなものか、
  • そのコンテンツが言わんとしている本質は何か… などなど。

ですので、ここに挙げたような事を考え、自分で問題意識を持ちながら話を聞いています。

「答え」を求める人の行く末

このような受け止め方の違いの行く末はどうなるか。学習に「答え」を求める人は、様々な「答え」が頭の中に散らかり、全く整理されていない子供部屋のような状態になります。

一つ一つの「答え」のつながりが全く無いので、整理のしようもありません。

新しい概念を学んだ際に、新しい概念単体での理解を正しく行うためにエネルギーを使い、残念ながら他の概念との共通点や相違点、視点の違いなどに思いを至らせる余裕はありません。

「考え方」を求めない人の未来

「考え方」を求める人は「複利」で知恵を蓄えていきます。「複利」とは貯蓄よりも投資を進める際の記事などでよく解説されている話ですが、元金によって生じた利子を次の期間の元金に組み入れる計算方式のこと。少ない資金でも長く運用することで「雪だるま」式にお金が増えていく様を表しています。

投資は実際にはそう上手くいかないのですが、学習については確実に複利的な「雪だるま」効果が現れます。

一つの「考え方」は日常の様々な場面に適用できるため、そこからオリジナルの解決法を見いだしていくことができます。そして「考え方」は使えば使うほどその理解が深まり、適用した場面場面でオリジナルな解決法を見つけるため、知恵も集積していく。「答え」を求める人との成長の差は圧倒的です。

成長する人の本の読み方

冒頭の経営者の話に戻ります。ビジネス書を読むと言うことは一見「考え方」を求めているようにも見えます。しかし、残念ながらそこには表層の「考え方」しか述べられていません。マーケティング上仕方の無いことですが、多くの人が理解し、食べやすいように背景の文脈やディテールは極限まで単純化されてしまっています。

力のある人の読んでいる本は全く違います。古今東西の歴史、文学、哲学など、歴史と伝統から抽出された濃密な「考え方」を手に入れるため、自分の頭でそれを抽出し、現場に援用しています。

また、そうした本もご紹介していければと思っていますので、引き続きお付き合いいただけると幸いです。

 

ABOUT US

山田 亨(TORU YAMADA)
『心の参謀本部』主宰、人材育成・組織開発活動家
経営者、管理職向けのヒューマンスキルなど教育、コンサルティング、コーチングをテーマに活動。このサイトでは現代思想・現代哲学をベースにした高抽象度の視点から現場での人材育成・組織開発について論考しています。