部下がバカに見えてしまうあなたへ(前編)

こんにちは。山田亨です。

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

少し刺激の強いタイトルをつけてみましたが、幾つかの話に飛びながら最後はちゃんとまとめていきますので、前編、後編ともお付き合いください。  

 

人の「優先順位」はそれぞれ違う

さて、人はそれぞれ「優先順位」を持って生きています。 

何らかのリーダーになる人は「そのこと(=例えば仕事)」の優先順位を上位にして生きているのですが、フォロワーの人たちの優先順位は仕事以外の「別のもの」が上位に来ている場合があります。

フォロワーの皆さんの「仕事の優先順位」をなんとか上げてもらいたい、というのがリーダーの皆様の切なる願いではないかと思うのです。

それぞれの従業員、部下、フォロワーの皆さんの人生の中で「仕事の優先順位」をあげてもらって、フォロワーの皆さんも成長を実感しながら、かつ幸せに、そして、お客様のことを思い、役割以上、給料以上のアウトプットを出していける、その結果、持続的に成果が出て持続的に会社も成長する。

そんなマネジメントができればみんながハッピーになれるわけです。

 

ここで、ニーチェ先生ふたたび

先日の五郎丸選手イチオシの本のお話に続いて今日も少しニーチェのお話をしたいのですが、西洋キリスト教社会の価値観を前提にしたお話ですので、その点頭に置いた上で以下お読みください。

哲学者のニーチェは「神」は弱者のルサンチマンを消化するために作り出された概念であり、「神は死んだ」と宣言し、キリスト教的価値観を否定しました。  

「ルサンチマン」については復習になりますので、こちらの記事をお読みくださいね。

五郎丸選手オススメの「あの本」のお話

2016.05.12
 

西洋キリスト教社会で「神は死んだ」と言ってしまうと、それまですべての尺度となっていたキリスト教の価値観が崩れ去り、自分自身を含めた全てが無価値ということになります(ニヒリズム(虚無主義))。

でも、世界がニヒリズムに支配された状態(=自分自身もが無価値な状態)になっても「その運命を愛し、自ら積極的に価値を生み出し、ルサンチマンにやられず一瞬一瞬を一生懸命生きよう」と、生を肯定しようとしたのがニーチェの思想です(「超人」などのコンセプト。)。

  

「超人(ちょうじん)」と「末人(まつじん)」

私がお会いする中でも、現実世界で結果を残している人たちは基本的にこういうテンションで生きており、様々に困難な状況に直面しても、自ら「価値」を定義し創造的に生きていますので、こうしたニーチェのお話をするととても響きます。   

一方、ニーチェは「超人」に対して「末人(まつじん)」というコンセプトも表しています。

ニーチェは20世紀、21世紀はニヒリズムの時代であると予言しましたが、ニヒリズムの時代になると人間は「末人」になってしまうと言っています。一言で言うと「末人」とは「安楽がよい、冒険しない、憧れというものを持たない」そういう存在です。

(それにしても、ニーチェの予言は恐ろしいほど当たっていますね…)

「神」という「絶対的な価値観」が消失してしまうと、自らを規制する(=もしくは奮い立たせる)価値観がなくなるので、人は「安楽」「安寧」「それなり」といったところの優先順位を上げてしまい、まったりと生きてしまいます。 

自分もそうですが、まぁ、人間は弱い生き物です。自らを規制するものがないとみるみるうちに堕落してしまいますね。  

こうした「末人」を、ニーチェは「ノミのように根絶しがたい存在である」と言っています。あぁなんと厳しいいい振りなんでしょう org… 

 

末人はノミのように根絶し難し。なんだけど…   

で、このように「運命を愛し、自ら積極的に価値を生み出し、ルサンチマンにやられず一瞬一瞬を一生懸命生きよう」ということで「超人」の方のテンションで生きようとして頑張っていると、どうしても普通の人たち(=「末人」)が物足りなく写ってしまうわけです。 

ニーチェ先生の言葉を借りると、自分より頑張っていない人たちは「ノミのように根絶しがたい存在である」ということになってしまいます。 

コーチングをはじめとして、巷では様々なコミュニケーションの手法やマネジメントの方法論がありますが、そういうものでいくら表面を取り繕っても、自分が頑張れば頑張るほど、心の底には「末人はノミのように根絶し難し」とそんな気持ちが渦巻くわけです。

なぜならば、自分は頑張っているのに周りは頑張っていないからですね。 

 

「ペルソナ」が輝くほど「シャドウ」はより深くなる

こういった心の反応は、外面(ペルソナ)に対して影(シャドウ)とも言われたりもしますが、こうしたシャドウは蓋をしても必ず「臭う」ものですので、隠そうとしても隠しきれるものではありません。

そして、ペルソナが光り輝くほどシャドウもまた深く濃くなります。

人間は非常に敏感な生き物であり、こうした「臭い」はフォロワーも意識の底の方で敏感に感じ取ります。部下はルサンチマンを発揮して、ますます「被害者」になっていきますので、まぁ、残念ながら何をしてもあなたが期待するほどは上手くはいきませんね。 

そうした自分とどのように付き合っていくのか。このどうにもならない「自分の心」と折り合いをつけながら、人を愛し、どのように創造的に振る舞い、他者を巻き込んで一つの「仕事」を成し遂げていくか

これがこのブログの最も大事なテーマであり、この記事の出口にもなってきます。

と、いうことでここから先はまた長くなりますので、本題は「後編」にて。

部下がバカに見えてしまうあなたへ(後編)

2016.05.17

 

 

この先の話はこちらの投稿にも関連してきますので、見返してみてくださいね。

「ただの評論家」と「視点の高い人」との違いとは

2016.01.23
 

 

 

なお、この記事の本題にも関連しますが、このコミュニティでもそういうことを追求していきますので、ぜひ、一度お読みいただければと思います。

「答えを生み出し続ける力」を身につける超実践的哲学コミュニティMCP(Maren Club Premium)

2016.05.12

 

編集後記

余談ですが、このニーチェ先生、社会の基盤となっていたキリスト教を真っ向から批判したり、いろいろ物議をかもす発言を連発するのですが、激しい偏頭痛やその他様々な身体的な症状を抱えながらの活動でした。

また、信頼していた人々との別離や失恋、自らの主張に対する周囲の無理解など様々な困難と孤独の中、それでもなお、自らその状況を甘受し著作に励み、最後にはその精神が崩壊するという形で哲学者としての活動を終了します。

こういう人の生涯を見ていると、人一人が人生を生き切るのって、本当に大変なことなんだなと思うわけですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

山田 亨(TORU YAMADA)

現代哲学からコーチングを解釈した視点をもとにクライアントさんと関わり、現実の課題に対応しながら意識の深層からの変化をガイドすることで、単なる現実面での目標達成のみならず、思考や精神のあり方自体を創造的に体質改善するトレーナーをしています。

職業は肉体改造をガイドする「フィジカルトレーナー」にならって、ビジネスパーソンの精神的な体質改善をガイドする「メタフィジカルトレーナー」を名乗っています。

注1:メンタルトレーナーとかスピリチュアル系のコーチではありません。念のため。

注2:余談ですが昔スポーツクラブでフィジカルの方のトレーナーもやっていました。