なぜ、あの人は反対があっても貫き通せるのか

仕事力向上

こんばんは。山田です。いつもお読みいただきありがとうございます。

さて、仕事のできる人はなんで仕事ができるのか、仕事をしながらずっと考えてきました。こうして、フリーランスで仕事をし、またプロフェッショナルと言われる人たちと接する中で最近いろいろな事がわかってきたのですが、一人、この人スゲーという人を取り上げ「仕事ができる人」について考えてみたいと思います。

 

USJをV字回復させた「ナニワの軍師」

取り上げる人はユニバーサルスタジオジャパンのV字回復の立役者であるマーケティング本部長の森岡毅さん。NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」を始め、テレビや雑誌で何度も特集されている人ですのでご存知かもしれませんね。

最近のUSJといえば「ハリーポッター」が注目を浴びています。このハリーポッターのアトラクション、極めて大掛かりな設備で投資総額は450億円。当時右肩下がりの年間売上が800億円程度の企業が450億円の投資を行うなど客観的に考えれば狂気の沙汰です。

もちろん、社内では大反対。社長のグレンは「俺の死体を越えてゆけ」とか言ってたとか…^^;。

テレビなどでは「反対があっても貫き通す」という森岡本部長の剛腕ぶりが特集されますが、実はこの側面だけを見ていると、仕事が精神論になってしまって、なぜこの人が周囲の反対を押し切ってまで持論を貫き通せたのかということを見誤ります。

今日お伝えしたいのはそのこと。

 

アイデアの出し方がとにかく壮絶。。。

ハリーポッター完成までの3年間の収益構造の改善、資金繰りなどをバックキャスティングで描いていくのですが、それを支えたのは、従来の発想にはない奇抜なアイデアの数々。

詳しくはこの本をご覧いただきたいのですが、例を出してみると

  • 10周年イベントの一環として当時まだ概念の定着していなかった「フラッシュ・モブ」型ストリートパフォーマンス
  • 3.11後、橋下市長を巻き込んでの子供無料招待キャンペーン「関西から日本を元気に!」
  • パーク内をゾンビが歩き回るハロウィンイベント(ハロウィーン・ホラー・ナイト)
  • 従来のパークの概念を打ち壊すファミリー向けゾーンの建設(ユニバーサル・ワンダーランド)
  • スパイダーマンのリノベーション(4K3D化) etc…

後から見れば「なるほどなぁ」というアイデアですが、このアイデアの出し方が本当に凄まじい

何がすごいかというと、これらのアイデアがあらかじめ森岡さんの頭の中にあったわけではなく、まずはアイデアのインパクト(投資額、集客見込み、その他)の必要条件を設定してから、ひたすら考え抜いてアイデアを絞り出したこと。

あらかじめ考えるための「枠」を設定してその中で徹底して深掘りすること。そこには自分の「やりたいことと」とか「希望」といったものは一切ありません。

ハリーポッターにつなげるための冷徹な数字の「枠」だけです。

 

後から見るとありきたりかもしれないが。。。

なんだそんなことかと思わないでくださいよ。ちょっと当事者になって考えてみてください。

ハリーポッター開業まで、収益的に一つのイベントも失敗できない状況の中でアイデアの目星もない状況で先に要件設定をして考え始める。

著書には「先に要件設定するのが、最も合理的な方法だ」的な話があるのですが、すごいのは一つでも失敗すればハリーポッターまで辿り着けないという状況の中で、なんとなくのアタリもなく、期限内に答えがでるかどうかもわからない自分の頭一つを頼りに、「答えは現場に必ずあるはずだ」と信じて考え抜き、現場をまさにゾンビのようにさまよい歩くその粘り腰。  

本のタイトルにもなった、逆さまに走るジェットコースター(ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~ バックドロップ ~)なんか、極限まで追い詰められた時に、昼間見たジェットコースターが逆回転で動く映像が夢にカラーで出てきたそうですから。。。

 

結局、自分を「殺せる」かどうか 

そこまで苦しむことがわかっていながら、自分を「死地」に投げ入れる。私たちはどこまでそんなクレイジーなことができるでしょうか?

USJのV字回復は「反対があっても貫き通したこと」が成功の原因なのではなく、反対など「外野席の雑音」にしか聴こえないぐらいに、死ぬ気で考えざるをえないところまで自分を追い込み、それを正しい方法論にのっとって実行した森岡さんのコミットメントの力によるものです。「反対があっても貫き通した」はその結果でしかありません。

原因と結果をごっちゃにしてはいけませんね。

 

プロフェッショナルの条件

今回はマーケティングの世界の話でしたが、プロフェッショナルかどうかの違いというのは、自分を死地に投げ入れた上で戦い抜く覚悟/コミットメントがあるか、または、無意識的にユルい判断が入ってしまうか、妥協してしまっていないか。そこが結果の分かれ目になります。

では、どのようにすればコミットメントの力を養うことができるのか。それを書き出すと長くなってしまうのでまた別の機会に。

かくいう私自身も日々自分のユルさに絶望的な気持ちになりますが、まぁ、一緒に頑張っていきましょうね。

 

写真出典:http://gigazine.net/news/20140608-wizarding-world-of-harry-potter/

 

ABOUT US

山田 亨(TORU YAMADA)
『心の参謀本部』主宰、人材育成・組織開発活動家
経営者、管理職向けのヒューマンスキルなど教育、コンサルティング、コーチングをテーマに活動。このサイトでは現代思想・現代哲学をベースにした高抽象度の視点から現場での人材育成・組織開発について論考しています。